概要 
sl_relay では -ver オプションにより,Viewerのバージョンを書き換えてサーバに通知することが可能です.
例) sl_relay -ver 1.19.5 Viewerのバージョンを 1.19.5 としてサーバに通知
在りそうで,多分そんなには無い事例 
ある朝あなたは会社のコンピュータ教育室にいます.今朝はこれからSecond Lifeの実習講習会があります.何と今回は会社の上層部の人間が見学に来ると言う事なので失敗はできません.
あなたは講習会のためにSecond Life Viewerを起動します.ところが,Viewerはバージョンが古いというメッセージを表示して起動しません!!! そう言えば,数日前,Viewerに対するセキュリティホールが報告されていたのを思い出しました.恐らく Viewerがセキュリティ対策でバージョンアップされたに違いありません.
講習会開始まで,後10分程しかありません.コンピュータ室のパソコンは全て電算部が管理していて,ソフトウェアのバージョンアップなども申請を行って,それを受理した電算部が作業する体制になっています.とても10分ではコンピュータ教育室の30台のパソコン全ての Viewerをバージョンアップできそうにありません.
今回の講習会では sl_relay という Second Life専用のパケット中継サーバを使用しています.コンピュータ教育室のパソコンは全てプライベートアドレスであり,通常は Second Lifeを使用することはできません.そこで sl_relayを Second Life用のプロキシとして使用しているのです.ファイアウォールを管理している電算部も sl_relay を使用するということで,渋々Second Life の使用を認めてくれたのです.
あなたはどうするか一瞬悩みましたが,sl_relay には -ver オプションがあることを思い出しました.早速電算部に電話をして 至急 sl_relay を -ver オプション付で再起動して貰うことにしました.設定を加えて,再起動するには5分もあれば十分でしょう.
5分程して,Viewerを再起動すると,今度はSecond Lifeに接続することができました.今回はセキュリティホールのあった機能は使わないように注意し,無事講習会を終了させることができました.
-ver オプションの使用終了も先ほど電算部にお願いしました.ほっと一息.
次回の講習会はあさってなので,それまでには全ての Viewerのバージョンを新しくすることは簡単でしょう.
使用上の注意 
sl_relay の -ver オプションは Viewerのバージョンを誤魔化してサーバに通知することができます.従って Second Lifeのサーバが特定のバージョン以上の Viewerを要求する場合でも,これを回避してサーバに接続可能です.
Second Lifeのサーバが特定のバージョン以上の Viewerを要求するのはそれなりの理由があるはずです.上記のように緊急避難的に使用する場合を除いて,この機能を使用することは,それらの理由を無視することであり,非常に危険であると言えます.
どうしようもない場合を除きいて,このオプションを使用することは避けてください.また,止むを得ず使用した場合も,出来る限り早急に Viewerをバージョンアップして,このオプションの使用を終了することを強くお勧めします.